日本とタイには共通点が多いですが、お互いに「仏教徒が多い国」ということでも非常に近しい存在になります。ただし、同じ仏教徒でも日本人とタイ人の「宗教観」は少し異なります。
日本人がお寺に行くのは「年に数回の人」が多いですが、タイ人で仏教を尊ぶ人は「毎週欠かさずお寺に通う人」もいます。
日本人もお寺が好きですが、タイ人はもっともっとお寺が好きです。

実は、タイでは日本よりもさらに仏教と密接な生活をしてるんです。
ところで、日本人に「今年は何年?」と聞くと、「2019年だよ」との答えが返ってきます。これをタイ人に聞くと、「2562年だよ!」と返されます。
ここで多くの日本人が戸惑います。「おいおい、何を言ってんだよ!」と。私も初めて聞いた時は「2562年なんて超未来じゃん!」と驚きました。
これは日本人もタイ人も「間違ったことは言ってないこと」をご存知でしょうか?

今回は、「タイの宗教である仏教」と「タイの仏暦年号を西暦に変換する方法」について、タイ歴22年の私が解説しますね!
タイの宗教は仏教の割合が94%
「一休さん」を知らない日本人がいないように、タイ人でも「一休さん」を知らない人とは会ったことがありません。実は、それには理由があります。
タイでも「一休さんのアニメ」を放送してるんですよね。ですので、タイ人の子供も一休さんを見て育ちます。
一休さんは、タイ人に「かなり人気がある」ので親も子供に率先して見せてますね。

それは、タイが日本よりも「仏教を重んじている」というのが1番の大きな理由になります。
タイの宗教の割合

タイ人がどれくらい仏教を重んじてるかを、タイの「宗教の割合」から確認しましょう!
タイの宗教の割合は以下になります。
- 94%:仏教
- 5%:イスラム教
- 1%:キリスト教・ヒンズー教・その他の宗教
タイ国民のほとんどは「仏教を崇拝」しております。タイが仏教国と呼ばれる由縁もそこにありますよね。
大乗仏教と上座部仏教
実は、日本とタイの仏教は同じ仏教ですが「宗派が異なる」んです。仏教は大きく分けると以下の2つの宗派に分けられます。
- 大乗仏教 :日本・チベット・中国等
- 上座部仏教:タイ・スリランカ・ラオス等

タイは上座部仏教で、日本は大乗仏教です。お互いに仏教徒ですが、少し違うのはそういう理由なんですよね。
仏教の開祖は「お釈迦様」
仏教は、もともとお釈迦様(ブッダ)がインドで始めた宗教です。しかし、仏教がインドから他の国を伝わっていく途中で2つの宗派ができます。
元々は同じ仏教だったんですが、思想の違いなどにより2つに分裂したんですよね。

それでは次に、「上座部仏教とは具体的にどのような仏教」なのかを確認しましょう!
タイの宗教である「上座部仏教」の特徴
タイの宗教である上座部仏教は、「自分自身での修行を通して悟りを得る事」を目指しているのが特徴になります。
一方、自分自身で修行せずとも、「修行したものが教えを説くことで悟りを得られる」と考えたのが大乗仏教です。
本来の仏教は、「人の一生は苦であり、永遠につづく輪廻(りんね)に流されて終わることなく苦しみをおう。その苦から抜け出すことが解脱」との考え方だったんですよね。

「修行をすることにより解脱(げだつ)できる」とも考えられていました。その「本来の教えに忠実」なのがタイの宗教である上座部仏教になります。
タンブン

タンブンとは、「徳や善行を積む重ねる行為」です。現在のタイでの具体的なタンブンは以下になります。
- 金銭をお寺などに寄付すること
- 僧侶への托鉢をすること
タンブンは輪廻転生の思想に多大なる影響を受けいて、例えばこんな考え方をします。
ですので、タイ人は本当に積極的にタンブンをします。お金持ちはもちろんのこと、上記の理由があるので、あまりお金のない人もタンブンしてますね。
タイ人が一休さんを愛する理由
前述したように、タイ人の「94%が仏教」を信仰しています。ですので、タイ人は幼少の頃から仏教の教えを刷り込まれています。
そこで都合がいいのが「一休さんのアニメ」です。楽しくお寺や仏教を学べるので、タイ人からすると一石二鳥となります。

日本ではお寺での修行は、「あまり身近に感じるもの」ではありません。しかし、タイ人男性が「お寺で修行する」のは一般的なことになります。
タイの仏教は出家を勧めている
タイの仏教では、成人男子は出家することを勧めています。「成人としての通過儀礼」「両親に徳を差し上げるため」等がその理由になりますね。
ですので、タイ人男性は出家をしないと「一丁前」だとみなされない傾向にあります。

昔は3ヶ月から6ヶ月の出家が一般的でしたが、最近のタイ人は忙しいので1週間~2週間が多いようです。
タイでは仏暦年号が使われている
タイを旅して戸惑う事の1つに「仏暦年号」があります。と言うのも、タイでは「西暦ではなく仏暦」を日常的に使うんですよね。
私たち日本人は、普段は元号や西暦を使って生活しています。仏暦なんて知ってる人の方が少ないですもんね。

ですので、いきなり「2562年!」と言われても、サッパリ理解できません。
「今年は何年?」と日本人とタイ人に聞いた
前述しましたが、日本人に「今年は何年?」と聞くと、「2019年だよ」との答えが返ってきます。これをタイ人に聞くと、「2562年だよ!」と返されます。
実は、この質問には「日本人は西暦」で「タイ人は仏暦」で答えただけなんです。ですので、どちらも正解なんですよね。

そんな仏暦ですが、意外に簡単に「西暦に変換」することが可能なんで覚えておくといいですよ!
仏暦と西暦を変換する簡単な方法
西暦を仏暦に変換する足し算
西暦→仏暦に簡単に計算する方法は以下になります。

今年は2019年ですので、「2019+543=2562」と計算すればいいですね。つまり、今年は仏暦で2562年になるんです。
仏暦を西暦に変換する引き算
仏暦を西暦に変換するには、「簡単な引き算」を用いると楽に計算できます。

今年は仏暦2562年ですので、「2562ー543=2019」と計算すればいいですね。つまり、今年は西暦で2562年になりますね。
仏暦と西暦変換のキーワードは「543(ごじさん)」
仏暦と西暦の変換のキーワードは「543」と言う数字になります。543は簡単に覚えられるようで、「イザと言うとき」に何故か忘れてることが多いんです。

ですので、私が友人や知人に紹介してる語呂合わせが「ごじさん(543)」になります。
「何がごじさんだ!くだらない記事だな。それくらい簡単に覚えられるよ!」と、現時点であなたはきっと感じてるでしょう。
しかし、その時がくればきっと思い出しますよ「ごじさん!」を。その時に、「あ、あの記事意外に役に立った!」と思い出して頂ければ幸いです(笑)
タイの年号の書き方
上記写真に「25/2/2560」と書いているのが分かると思います。この「25/2/2560」がタイの年号の書き方になります。
実は、タイでは「日/月/仏暦」の順番で年号を表すんですよね。ですので、これは「仏暦2560年2月25日」のことになります。

タイの年号の書き方は、「日本と異なること」を知っておいて下さいね!
まとめ
今回は、「タイの宗教である仏教」と「タイの仏暦年号を西暦に変換する方法」について、タイ歴22年の私が解説しました。
タイは厳格な仏教を守っているので、タイのお坊さんはお酒は飲めませんし、女性には触れることさえ許されません。
ですので、タイでは「お坊さんは崇拝」されてるんですよね。タイの乗り物には「お坊さん優先シート」があるくらい尊敬されてるんですよ!

タイ旅行を思い立った方に、「最初に読んで欲しい記事」がコチラになります!