高齢者の方の大きな楽しみの1つに「食事」があります。
若い人も食事が楽しみな方は多いですが、高齢者になると食事に対する楽しみの重さが全然違うんですよね。
と言うのも、人は年齢と共に身体機能が衰えてきます。
となると、若い頃は多趣味で活動的だった方も「趣味などの楽しみ」が少なくなっていく傾向があるんですよね。
高齢者の方に、「何かしたいことはないですか?」と聞くと、よく返ってくる言葉があります。
それが、「美味しいものが食べたい」になりますね。
高齢者の方の食事には、「栄養補給と楽しみ」と言う2つの大きな意味があるんですよね。
それでは最初に、「高齢者の食事に関する注意点」から確認していきましょう!

介護経験20年で現役ケアマネジャーの、「よちる」がシンプルに解説しますね!
【よちる・保有資格】
- ケアマネジャー
- 介護福祉士
高齢者の食事に関する注意点:誤嚥防止
高齢者の食事に関する最大の注意点が、誤嚥防止になります。
誤嚥とは、食べ物や唾液が食道に入らずに「気管に誤って入ってしまうこと」を言います。
誤嚥すると咳をして、「気管に入った物」を出そうとするんです。
これは、人間の持つ防衛反応の1つですね!
食事の姿勢が大事
高齢者の方に安全に食事をしてもらうには、「食事のときの姿勢」が大事になってきます。
顎が上がって頭の重心が後方になるにつれて、気道が開いて「誤嚥の確率」が高まります!
誤嚥すると、誤嚥性肺炎になるリスクが高まるので注意が必要ですよね。
誤嚥性肺炎とは、誤嚥した食べ物等と一緒に「口の中の細菌」が肺に入って炎症を起こすことを言いますよ。
高齢者の食事の問題点
低栄養状態になることも
高齢者になると「噛む力や飲み込む力」が弱くなっていきます。
そうなると、「栄養を吸収する力・消化吸収する能力」も必然的に低下してしまいます。
身体が栄養を取り込みにくくなると、しっかり食べていても体重が減って「低栄養の状態」になることもあるので気を付けて下さいね!
味覚が低下する
高齢者になると、「甘い辛い」などの味覚が低下します。
味覚の低下とともに、食事に関する意欲も低下します。
空腹を感じにくくなる
高齢者になると行動量が減るので「空腹」を感じにくくなります。
それでは次に、高齢者の方が「食事をしたくない!」と言ったときの対応の仕方について見ていきましょう!
「食べたくない!」と拒否されたときの対応の仕方
好きなものから勧めてみる
自分の好きな食べ物があれば、「食べてみようかな!」という気持ちが高まりますよね。
盛り付けを工夫してみる
1皿を少なく盛り付けてみると、「これだけでも食べてみようかな!」という気持ちが高まりますよね。
食べる形態を変えてみる
食べやすい形状で出してみる。
固くて食べれなかったり、入れ歯が合っていなかったり。
何かしらの理由があって 食べる気持ちが低下しているだけかもしれませんからね。
食べやすい物は、プリン・卵豆腐、茶碗蒸し等の「つるんとして喉越しの良い物がおすすめですよ!
食べにくいものは、イモ類・ごぼう等の「繊維質が硬いも」がありますね。
ちなみに、「カステラ・パン等」も意外に食べにくいんでお気をつけ下さい!
食べる環境を変えてみる
食べる環境をガラッと変えたいなら、「室内 → 室外」がおすすめですね。
ピクニックだとついつい食べちゃいますもんね。
いつも1人で食事している方であれば、「誰かと一緒に食べてみる」も効果が高いですね。
雰囲気を変えることで「食事に対する意欲」って出てくるもんなんですよ!
無理矢理に食べさせるのは最悪の対応
食べたくないと拒否されたときの対応の仕方で、1番よくないのが「無理矢理に食べさせること」になります。
「食事が嫌なこと」になってしまって、食べたくない気持ちに拍車がかかっては元も子もありませんよね!
食事拒否にの対応方法はいろいろ工夫し「その人に合った方法」を見つけることになります。
残念ですが、この方法を使えば「みんなが食べるようになった!」という正解はありません。

色々と試してだめなときは、「一人で抱え込まない」で、ケアマネさん等の専門家に相談して下さいね!