服装のお洒落で心の持ちようが変化するのは、若者だけではなく「高齢者の方も同様」です。
日々の服装に変化をつけると、気持ちまで明るくなったり、前向きな行動ができるようになります。
介護施設の夏祭りで浴衣を着ていると、「着方があまいよ」と認知症のおばあちゃんが浴衣を直してくれました。
家族さんに聞くと、着付けが上手で近所の人の着付けなどをしていたそうです。
ですので、認知症になった今でも、体や手が覚えているんでしょうね。
若い頃にスーツを着て仕事をされていて、今は腰が曲がっている高齢者さん。
久しぶりにスーツを着ると、「背筋がピーン伸びて、顔もキリッと引き締まる」のに驚かされたこともあります。
高齢者の方ほど「ご自身の健康」のためにも、服装やパジャマのお洒落を楽しんでほしいです。
ただし、身体状況や後遺症の有無などで「着やすい洋服が変わってくること」には注意して下さいね。
ちなみに、高齢者の方が、服装を全く気にしなくなったら認知症かも知れません。
「最近、いつも同じ服を着てるな」と思ったら気を付けてあげて下さいね。
それでは最初に、「高齢者さんの洋服・パジャマのおすすめ」から確認していきましょう!

今回は、デイサービスでの「入浴の目的」と「入浴の一連の流れ」について、ケアマネの私が解説しますね!
高齢者さんの洋服・パジャマのおすすめ
前開きの服
高齢者の方がイチバン着やすいのが、前開きの服になります。
頭を下げたり・腕を上げたりしなくても簡単に着られるので、高齢者の方に優しい服ですよね。
前開きの服は、麻痺がある方でも「自分で着やすい」という特徴もあります。
かぶりの服
かぶりの服とは、トレーナーやセーターになります。
かぶりの服の魅力は、「ボタンがないこと・少ないこと」になります。袖口が絞ってないものがベストです。
かぶりの服でおすすめは、「収縮性のある素材」になりますね。頭を通しやすいのがその理由です!
ボタンの服
高齢者になると、細かい作業が困難になる傾向があります。
ですので、なるべくなら「ボタンのついてない服」をおすすめしますね。
しかし、ボタンの服もデメリットばかりではありません。
「手の運動」の観点から見ると、ボタンの服も一役買ってくれますからね!
ただし、ボタンの服を選ぶときには以下に注意してください。
- ボタンが大きめの服やパジャマを選ぶ
- ボタンの数が少ない服やパジャマを選ぶ
認知症で「異食行為」の傾向がある方には、ボタンの服はおすすめできません。
高齢者の方が自分でボタンを留めにくくなってきたら、ボタン部分を「マジックテープ」に変えてあげるといいですね!
高齢者の洋服・パジャマに関して気を付けてあげたいこと
ゆったりした洋服を選ぶ
体を締め付ける服は避けてあげて下さい。
締め付けることで血圧が上がったりするので、身体によくないですからね。
ズボンなどもウエストがゴムのもので、脱いだり着たりが楽にできるものを選ぶことが大事です。
ウエスト部分がボタンやフックになっているとトイレなどで手間取って間に合わないことにもなります。
袖口や首周りが絞ってないものが着やすいですね。
座ることが多い高齢者は靴下を脱いだあとにゴムの跡がくっきりついてることがあります。
なので、靴下も履きぐちがゆるいものを履いたほうがいいですね。
洋服をタンスから出してあげて
ご年配の方によくある話ですが、せっかく買った洋服を「もったいないから」と大事にタンスにしまってしまう。
大変な時代を生き抜いてこられた方々ですから、そのお気持ちは重々理解できます。
しかし、洋服は着るためにあるものですから、着てもらえないとかわいそうです。
ですので、積極的にタンスから出してあげて下さい。
洋服は着てあげることで、初めて役目を果たせるんです!
体温調節しやすい服装
高齢者になると脂肪が少なくなって、寒さを感じやすくなります。
厚着しすぎて通気性が悪い素材の服を着ていると、汗をかいてしまい風邪をひくこともあります。
私が施設で勤務している時に、寒がりなおじいちゃんがいました。
夏場でも部屋のエアコンを暖房に設定をして、服装といえばダウンジャケットを着ていました。
周りの人からすれば、「夏場なのに暖房!?」となりますよね。
しかし、本人には寒いので、それに合っている服装をしているだけです。
高齢者の衣類を選ぶ時は、汗を吸収しやすく、保温性が高い素材を選ぶのがポイントですよ
高齢者もパジャマに着替えたほうがいい理由
高齢者の方ほど、実はパジャマに着替えたほうがいいんです。
と言うのも、高齢者の方は「昼と夜の区別」がつきにくくなる傾向にあるんですよね。
若い人は働きに行くので嫌でも朝と昼を区別することになります。
しかし、高齢者の方の多くは「時間に縛られる生活ではない」ですもんね。
高齢者の方ほど、「昼と夜の区別」をしっかりと意識するために、就寝前はパジャマに着替えた方がいいですね。
パジャマを着ることで、「これから寝ますよ!」と、自分への合図になるのも効果の1つですね。
家族と本人の意見は異なる
ちなみに、家族がいいと思う服と、本人がいいと思う服は必ずしも一致しません。
家族は「あんな古くなったものを着て」と思うかもしれませんが、本人にはその服が心地良いんですよね。
洋服をたくさん持ってると、なにを着ていいかわからない可能性もあります。
外出するときなど一緒に服を選んでさり気なく、新しい服を勧めてみるのいいかもしれませんね。
服装1つで心まで晴れやかになるのが人ってもんです。
高齢者だからといって、暗い色の洋服ばかりを着ていては気持ちまで暗くなります。

女性も男性も、たまには明るい色の服を着ると「気持ちも軽く明るく」なりますよ!