今回の記事は、
- 特別養護老人ホームの費用
- 費用の減免制度
を、現役ケアマネジャーの私が解説します。

特別養護老人ホームは、安く入居できるのが魅力的な介護施設の1つになりますよ!
特別養護老人ホームの費用
特別養護老人ホームへの入居を考えたとき、最初に気になるのが「費用」になります。
「毎月、どれくらいのお金が必要になるんだろう?」と、心配になりますよね。
特別養護老人ホームの費用は、毎月の支払いになるので「しっかり計算しておかない」と後が怖いですもんね。
4つの費用
ただし、特別養護老人ホームは、「費用の安さが魅力」の施設サービスになります。
ですので、そこまで高額にはならないのでご安心下さいね。
特別養護老人ホームの費用は以下の4種類になります。
- 部屋の種類
- 介護度
- 負担割合
- 所得段階
それでは、特別養護老人ホームの費用を1つずつ確認していきましょう!
部屋の種類・介護度
部屋の種類
特別養護老人ホームの費用の1つ目は、「部屋の種類」になります。
部屋の種類によって費用が異なってくるんですよね。
特別養護老人ホームの部屋の種類には以下があります。
- ユニット型(個室):費用が高い
- 従来型(相部屋):費用が安い
簡単に言うと、「個室は高くて相部屋なら安い」ってことですね。
介護度
特別養護老人ホームの費用の2つ目は、「介護度」になります。
要介護度によって、「特別養護老人ホームの費用」が異なります。
要介護度が高いほど、「料金も高く」なります。
ちなみに、要支援の方は特別養護老人ホームを利用できませんので、介護保険証などで「介護度」の確認をしてくださいね!
負担割合
特別養護老人ホームの費用の3つ目は、「負担割合」になります。
負担割合は、「1割~3割」になります。
毎年7月頃に市町村等から送られてくる「介護負担割合証」を見れば負担割合を確認できますよ!
負担割合は、「単身世帯」と「2人以上の世帯」で費用が異なります。
単身世帯
単身世帯の負担割合は以下になります。
- 1割負担:所得金額が年間280万円未満の方
- 2割負担:所得金額が年間280万円以上の方
- 3割負担:所得金額が年間340万円以上の方
2人以上の世帯
2人以上の世帯の負担割合は以下になります。
- 1割負担:合計所得金額が年間160万円未満の方
- 2割負担:合計所得金額が年間160万円以上の方
- 3割負担:合計所得金額が年間220万円以上の方
所得段階
特別養護老人ホームの費用の4つ目は、「所得段階」になります。
所得段階には下記の4段階があります。
- 第1段階:生活保護受給者等、老齢福祉年金受給者で市民税世帯非課税の方
- 第2段階:世帯の全員が住民税非課税で合計所得金額等の合計が年間80万円以下の方
- 第3段階:世帯全員が住民税非課税で上記2段階以外の方
- 第4段階:上記以外の方(負担限度額なし)
「ユニット型の1日の居住費と食費」の、一例は以下になります。
特別養護老人ホーム・ユニット型の1日の居住費と食費
居住費(1日) 食費(1日) 1ヶ月合計
第1段階 820円 300円 33,600円
第2段階 820円 390円 36,300円
第3段階 1,310円 650円 58,800円
第4段階 1,970円 1,380円 100,500円
最後に、特別養護老人ホームの費用の減免制度を紹介します。
特別養護老人ホームの費用の減免
特別養護老人ホームの費用の減免制度には以下があります。
- 介護保険負担限度額認定証
- 介護高額サービス費
- 高額医療合算介護サービス費
- 社会福祉法人による利用者負担の軽減
介護保険負担限度額認定証
介護保険施設やショートステイを利用している人の、「居住費・食費」を申請により安くする制度。
介護高額サービス費
介護保険サービスを利用し、利用者負担額(居住費・食費は除く)が一ヶ月で上限額を超えるときに申請をすると高額介護サービス費としては払い戻される制度。一度手続きすると、越えた月は自動で払い戻される
高額医療合算介護サービス費
8/1〜翌7/31の間で医療保険と介護保険の両方を利用し、利用者負担額が一定の限度額を越えたときに申請により超えた額が払い戻される。
社会福祉法人による利用者負担の軽減
市民税世帯非課税で収入や資産などが一定の要件を満たし生計が困難な人に対して、介護サービスを提供する社会福祉法人が利用者負担の軽減を行う。
市に申請し該当すると、「社会福祉法人等利用者負担軽減確認証」が交付されます。毎年8月に更新手続きが必要となります。

費用を安く抑えるためには、全て申請が必要です。申請期限や必要書類などがあるので注意して下さいね!